「いつかは別れの時がくる」というのはわかっていても、まさか本当に愛犬とお別れする日が訪れるなんて想像もできません。
「もっと早く病院に連れて行っていれば…」
「私に育てられて不幸だったのではないか?…」
大切な愛犬を喪ったことで後悔の念にかられ、自分自身を責めて苦しんでいる方はたくさんいらっしゃいます。
私は幼い頃から常に犬がいる生活をしていました。
愛犬とのお別れも何度か経験しているので、後悔で苦しんでいる方のお気持ちは痛いほどわかります。
どんなに愛情を持って接していたとしても、
「もっと早く病気に気付いてあげていれば…」
「もっと一緒に遊んであげればよかった…」
「私のところにやってきて本当に幸せだったんだろうか…」
というように、もっと○○していればという後悔で心が締め付けられます。
犬が元気な頃にはそこにいるのが当たり前になりすぎて、しっぽを振って寄ってきても素っ気なくあしらってしまったり、時には疎ましく感じたりすることもあったと思います。
でもそれは決して愛犬に愛情を注いでいなかったというこではありません。
本当に犬のことを愛していたからこそ、大きな後悔と自責の念で苦しむのです。
あなたは「あの子に謝りたい」「良くしてあげられず申し訳ない…」と感じていても、犬はあなたを恨んだりしていません。
むしろ、今まで深い愛情で包んでくれたあなたに感謝しています。
「今までお世話をしてくれてありがとう、あなたと暮らせて幸せだったよ」
「死んだ犬に謝りたい」と苦しんでいる方へ
人間には友達や恋人、仕事、趣味など色んな世界があります。
いくら愛犬が大切でも、365日24時間、常に犬の為に時間を使うのは不可能です。
元気に生活していれば、あなたの仕事やプライベートを優先するのは仕方ないこと。
しっぽを振りながら構って欲しいと近づいてきても「疲れてるからあっち行ってて」「ちょっと静かにして」とあしらってしまうこともあったでしょう。
でも犬にとっては飼い主と一緒にいることが楽しみなんですよね。
あなたが全てと言っても過言ではないです。
そしてあなたが辛い時、悲しい時、落ち込んだ時、そばに寄り添って癒してくれたのではないでしょうか。
後になって振り返ると、何だか愛犬から愛情をもらってばっかりいた気になるかもしれません。
でも、あなただって愛犬のために色々なことをしてあげたはずです。
愛犬を迎える時、「食器はどれにしようか?」「ゲージはこれでいいのかな?」「首輪は苦しそうだからハーネスにしようか」とたくさん悩んで選びましたよね。
子犬の頃は体調を崩すことも多く、何度も病院に連れていってあげたんじゃないでしょうか。
このおもちゃで遊べるかな?
健康に良いフードはどれだろう?
アレルギーに良い食べ物は?
予防注射はいつだっけ?
あの公園に連れてったらきっと喜ぶよね!
あなたは意識していなかったかもしれませんが、愛犬のことを第一に考えて、いつも愛情たっぷりで育てていましたよ。
ですが人間というのは、後になって色々後悔してしまうものです。
「もっと健康を考えてあげていれば長生きしたんじゃないか」
「別の飼い主のところに行っていればもっと楽しく暮らせたんじゃないか」
「この子は私と一緒にいて本当に幸せだったのだろうか?」
そんな風に思ってしまいます。
でも旅立った愛犬はあなたに感謝しかしていません。
「自分を迎え入れてくれて嬉しかった」
「今までお世話をしてくれてありがとう」
「いっぱい遊んでくれて楽しかったよ」
あなたに対して心からありがとうと感謝しているのです。
犬はあなたに逢うためにやってきた
犬達は、この世に生を受ける時にはじめから自分の寿命を知っているそうです。
「短くて数年、長くても20年。最後は悲しい別れがやってきます。それでも逢いに行きますか?」
犬達は飼い主よりも先に死んでしまうことをわかった上で、この世にやってきたのです。
自分の命が短いと知っていても、どうしてもあなたに会いたくて、あなたの目の前に現れるのです。
だから絶対後悔がないよう毎日を精一杯生きます。
大好きなあなたと一緒に、あなたの愛情をたっぷり受けて、毎日を一生懸命生きるのです。
そしてあなたのことも幸せにしたいと思って、思いっきりしっぽを振って喜んだり、飛びついて愛情を表現します。
ごはんを食べて、お散歩をして、ボールで遊んで、ブラッシングやシャワーをしてもらって…疲れたら眠る。
犬はただあなたと一緒にいることだけで幸せだったのです。
だからあなたにいっぱい感謝しています。
あなたを責めたり、ましてや恨むことなんて絶対にありません。
あの子は「今まで本当にありがとう」と言っていますよ。
どうか「亡くなった犬に謝りたい」と自分を責めないでくださいね。
どれだけ愛情を尽くしても後悔するもの
どんなに愛情を持って接していても、最後まで手を尽くしたとしても「あの時○○していれば…」「もっと○○してあげればよかった…」という後悔は出てきます。
でもそれは後になってからわかることで、その時、その時であなたは最善のことをしてきたのです。
結果的に愛犬とお別れすることになりましたが、あなたの決断が間違っていたわけではないです。
だから決して自分を責めないでください。
あなたのことが大好きだった愛犬も、あなたが自分を責めて苦しんでいる姿を見るのは辛いですよね。
今すぐには無理かもしれませんし、時間がかかってもいいので、「自責の念」が「愛犬への感謝の気持ち」に変わっていってくれればいいと思います。
旅立った愛犬もあなたにたくさん感謝しているので、あなたも愛犬に感謝の気持ちを伝えてあげてくださいね。
でも後悔というのは、「悲しさ」「苦しさ」「寂しさ」が形を変えたものでもあります。
だからそれを無理に我慢しないでください。
泣きたいときはたくさん泣いて、寂しい時は愛犬との楽しい思い出を思い返してあげましょう。
あの子はいつもあなたのことを見守っています。
あなたと過ごした日々を懐かしんでいます。
そしてまた出会えることを楽しみにしていますよ。